2012/09/22

iPhone 5見てきました

Jobs没後初のモデルチェンジとなるiPhone 5、もう買う気マンマンながら、やっぱり高い買い物なのでじっくり世間の評価を様子見ようかと、あわてて予約するのは止めました。発売初日の今日、会社の帰り道にヨドバシカメラで実機をいじくりまくって来たので簡単なレビューを。いじくられてしまったのはauとソフトバンクの白と黒、計4台です。

1. 初めて持った感じ

薄い、軽い、長い。今使ってるのはiPhone 4Sですが、iPhone 5はほんと薄いです。何よりも重量が変わったので、それがスペック上の寸法以上に薄さを感じさせます。長さもそんなに変わったわけじゃないですが、片手で持ってホーム画面のアイコンを上から下までタッチした時に長いなーと感じます。でも個人差はあるでしょうが、縦のアイコン数が増えても、今までの見慣れたホーム画面と違和感は感じませんでした。

2. 質感

高い買い物をする時に、私はこれが一番気になります。性能もさることながら、払う金額で満足出来るレベルの仕上がりかどうか。例えば工作精度や塗装、ガタつきのなさなどです。使用中のiPhone 4Sは残念ながらロックボタンがカメラの半押しシャッターのようにひっかかりますが、これだけでかなりへこみました。毎日押す部分がひっかかるって相当気持ち悪いです。店頭実機は4台ともロックボタンは問題ありませんでした。

黒はサイドの部分がマット、面取りしてあるエッジ部分は磨き仕上げの上にガンメタ塗装らしいですが、ギズモードが掲載しているPocket-lintの記事では、黒モデルのこのエッジ部分が剥げるらしいと書かれています。店頭実機では黒2台とも剥げてはいませんでしたが、みんなに触られてどこかにぶつけたらしい傷が何か所かエッジについていて、確かにその部分は塗装が落ちてピカピカの地銀の色が出ていました。何もしないで塗装が剥げるというより、ちょっとぶつけるとすぐに地肌の銀色が出てしまう、という事かもしれません。白モデルはここは銀色のままなので剥げる心配はありません。

背面の上下部分がクリアで真ん中はマットですが、ここはデザイン的にどうかなと感じました。これまでのモデルが傷付きやすかったのでこうしたという話はあちこちで見ますが、どうせなら全面マットか全面クリアに統一して欲しかったです。

そして全体的な質感ですが、誤解を恐れずに言うと、これまでのiPhone全モデルに比べ

安っぽい

というのが正直な感想です。初代や3GSの表裏一体感のあるシェルデザイン、4/4Sのカチッとした直線的且つ表裏のクリアさとエッジを丸めたサイドの触り心地の良いマットの美しいバランスに比べ、「あー、一体削り出しで塗装だけ塗り分けて楽したなー」という印象。加工精度は相変わらず高いですが、NCでアルミを削って削って面取って塗装して終わりーって感じのボディです。これまでのモデルのような一体どうやって組み立てたんだろう?という木目込み細工のような感じはなく、ちょっと精密な旋盤で作った工業製品という感じ。
それに私はエッジの立った、しかもそのエッジがピカピカの加工というのが好きじゃないので、塗装の落ちそうな黒も、ピカピカエッジの白も、どちらもちょっと迷います。

そんなわけで、持った質感は微妙。でもこれ、実は重量が軽くなって重厚感が減ったせいかもしれません。軽くて文句言うのもあまのじゃくですが、あとほんの少し重い方が高級感はあったのかも。

3. Lightningコネクタ

これはいい。コンタクトピンが両面にあってどっちの面も同じピン配列、本体メス側の接点は片面のみで、表裏を気にせず挿せるので、イライラが減ります。脱落防止はコネクタのサイドにあるくぼみに本体側の球状の出っ張りが引っかかる構造です。結構しっかり留まっていて、ちょっと触れたくらいでは簡単には抜けませんでした。
コンタクトピンが樹脂状のものに埋め込まれ、それがコネクタの金属に埋めてあるので、抜き差しで負荷が繰り返された時に、耐久性(それぞれが剥がれて来ないか)がどれほどあるかは今後わかる事ですが、MicroUSBよりもイカしてることは間違いありません。

4. auの音声・データ同時使用

auのデモ機はSIMが挿してあったので、117にかけてブラウザ開いたら、「両方はでけんのじゃボケ」と表示されたので、やっぱりダメでした。話には聞いてたけど、これはちょっと悲しいです。そういう機会がどれほどあるんかですが、出来ない事があるというだけで残念さが増すのを実感しました。ちなみにソフバンのデモ機はSIM無しだったので実験出来ず。たまたまなのかauの戦略なのか知りませんが、「うちは3Gでも速ぇーぞオラーいてまえー!」的なところをアピールしたかったのかもしれません。確かに自前のソフバン4Sよりau速かった気がする。

5. 尿液晶

iPhone 4は選びに選んで満足の白、4Sは選択出来ずに機変したら見事に尿に当たったので、5はどうかなーと思ったら、デモ機は全て尿っぽさはなかったです。むしろ青過ぎる白。使用中の4Sも最近は尿が気にならなくなって来て、いくぶんうっすら黄味がかった方が白は自然に見えていたんですが、5は見事なまでに青白く、尿液晶の心配はなさそうです。4Sでは白モデルより黒モデルの方がさらに尿度合が酷かったのですが、5は白黒モデルで液晶の差は感じませんでした。ただしこれはあくまでも発売時のデモ機での事でして、iPhone 5の液晶は今後3社くらいが供給する事になるので、別メーカーや別ロットになった時にどうなるかはわかりません。

6. 動作

漠然とですが速いっす。余計なアプリが入ってないまっさらな状態な事もありますが、4→4Sのまあまあ遅くはなくなったかなぁよりも体感的にキビっとしてます。ただ、キーボードの種類の切り替えはドンくさかった。日本語入力を含んだキーボードの切り替えはなんとかならんのですかねぇ。Wnnとかしめじとか入れさせて欲しい。

他のカメラとか何かはもうレビューが山のように出てるので省略。

7. まとめ

うーん、ソフバンの貧乏電波からMNPで早く逃げ出したかったんだけど、買うのはもう少し待ちます。
Appleがすごいのは、ハードのサポート打ち切りまでは全てのiOSデバイスに同一のバージョンアップを提供する事で、おかげでiPhone 4SでもiOS 6の恩恵を受ける事は出来ます。そうなると5への買い替えで満たされるのは(ハード面の差異を除けば)ほとんど所有欲というか持ってない人への優越感みたいなものであって、「この機能が使いたいから」といった高尚な目的はほとんどありません。
LTEエリアもまだまだだし、4Sが滑り出しでいろいろとつまずいた事をふまえて、2013年モデルまで待ってみようかなと、自制の意味も込めて我慢してみます。さてどこまで耐えられるか・・・
現物が見られない人は、ギズのここで大サイズの写真でも眺めて秋の夜長にあれこれ悩んでみてください。