さて、今日みずほ銀行からプレミアムクラブに入会させてやってもえぇよ、というDMが届きました。うーん、どうせまた金借りろ的なローン勧誘かと思ったら、預入資産が一定額のやつは入れてやるというものでした。
「プレミアムクラブ」って、これまでも一定条件ならば(給与受け取り口座がある、公共料金引き落としに利用している等々)、翌月一か月間、休業日のATM手数料無料とか、他行宛て振込を3件まで手数料無料などの特典が受けられてましたが、なんか変わったんかいな? とDMを良く読むと、
- これまでの毎月単位の特典付与は、1年単位に切り替え(条件判定は随時)
- 基本的な金融サービスの内容(手数料優遇)は同等
- 他に以下のサービスが受けられる
- 各種カードの発行、切り替え、再発行手数料¥1,050を無料
- 通帳再発行手数料¥1,050を無料
- トラベラーズチェック発行手数料割引
- 住宅ローンの事務手数料を無料
と、ここまではまあ取られるはずのものがタダか安くなるのでよろしいですが、
- プレミアムサロンでコーヒーを飲みながら資産運用相談が受けられる
- 株式売買委託手数料の割引
- 遺言書作成相談が無料
- キャッシュカード保険(年間1,000万円)
- ICキャッシュカード発行手数料無料(年会費ではない)
- みずほダイレクト(オンラインバンキング)ワンタイムパスワードトークン発行手数料無料
- 貸金庫手数料40%割引
- セコム、ALSOK契約時の優遇(2万円相当)
- ガン検診の無料相談
- 高級エステサロン紹介
- 冠婚葬祭の無料相談
- 一流レストラン予約代行、優待
- 提携百貨店、家具専門店の優待(3~10%割引)
- 各種チケット予約代行
- JTBロイヤルロード銀座での旅行案内
- JTB宿泊プラン「優雅」「華やぎ」の料金5%割引
- 東急ハーヴェストクラブ、ダイワロイヤルホテルズのホテル優待
- ゴルフ場予約代行と女子プロレッスンの紹介
- 提携美術館優待
- カルチャースクール優待
など、正直どうでもいいサービスが、いわゆる目玉としてちょっと高級そうなパンフレットに印刷されてます。もちろん入会金などは必要なく、単なる預金者の特典でしかないのですが、こういうDMを受け取るたびに思うのは、
なんでただのサラリーマンのオレに、こんな成金趣味の自己満足感を煽るようなDMをよこすのか
ということです。上記前段の特典は手数料無料化など、日常生活の上では多少助かりますが、後段の特典は利用しなくても何も困らないし、ほとんどが私の生活には全く意味の無いものです。
「~相談が無料」とかって、普通の感覚なら聞くだけならそんなもんタダで当たり前やろと思うし、キャッシュカードなんて今時発行手数料・年会費無料は当たり前。高級料亭や高級ホテルが数%安くなってももともと高いところだし、
こんな特典屁の足しにもならん
ということです。こういうサービスが受けられる資格を得て、「おれもやっとここまでになったなぁ」なんてブランデーグラスをくゆらせてニヤニヤして喜べたのは遠いバブルの時代。私の感覚がそんなに世相とずれてるとは思いませんが、今の時代こんなもの「特典」とは感じられません。大体ほとんどが「もっと金使えオラー (゚Д゚) 」という内容。これがみずほ銀行が真面目にマーケティングした結果だとしたら、みずほさんちょっとヤバいんじゃないですかね。
そもそもこの招待条件になっている預金残高(普通を除く)に、私は達してませんが何故招待されたんでしょう? ここで考えられるのは、口座保有者、あるいは総残高が減ってるのをつなぎ留めたいんじゃないか、ということ。
んで、銀行業の業績についてちょこっと調べてみました。
(2011年3月期決算報告)
総資産
1位 206.2兆円 - 三菱UFJフィナンシャルグループ(MUFG)
2位 160.8兆円 - みずほフィナンシャルグループ(MIZUHO-FG)
3位 137.8兆円 - 三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)
売上高
1位 4.5兆円 - MUFG
2位 3.8兆円 - SMFG
3位 2.7兆円 - MIZUHO-FG
当期純利益
1位 5380億円 - MUFG
2位 4758億円 - SMFG
3位 4132億円 - MIZUHO-FG
で、みずほはメガバンク内では売上、利益がよろしくないのは万人の知るところですが、さらにROA(総資産利益率)の昨年からの推移でみると
2010/3 2011/3
SMFG 0.22% 0.35%
MUFG 0.19% 0.28%
MIZUHO 0.15% 0.26%
となっており、収益性、効率性の面では上位行に及んでいない状況が続いています。さらに公的資金投入、経営再建が形になってあらわれている、売上高4位のりそな銀行は、ROAでは前年 0.32%、当年 0.37%と、数字だけ見れば非常に良くがんばっています。トップ3とは売上の桁こそ違え、公的資金完済後いずれみずほを追撃することになるやもしれません。
こんな決算状況に加えて、今年3月の日本史上最大のシステム障害。やっぱり預金者の流出が始まってるんでしょうかね。
軽い裏読みでしかないですが、このプレミアムクラブ、やっぱりその場しのぎの対策にしか見えません。さらに今時こんなもの感満載の内容、プレミアムにしてはいい加減な招待基準、狙い撃ちのくせに面倒くさい申込書の記入方法(保有口座を全部記入させる)など、みずほのセンスのなさにはちょっと閉口しました。
どうせタダだし一応申し込んでおきますけど、特典のほとんどは使わんだろうなぁ。