[Ibanez TS9DX]
OP AMPはJRC 4558Dです。ツヤありではありません。TS9はRe-issueでは4558以外の石が乗ってたことがあるらしいですが、これはまんま4558Dでした。
まず基板の色がMaxonとは違いますが、あと素子類の足を立たせて配置してますね。これはパーツの点数が多い場合に密集させて小さく収めるのにはいいですが、足の長さ分回路が伸びること、素子どうしがくっつき、最悪足が短絡する恐れがあること、何より美しくないことから、あんまし良い実装ではないと教わったことがあります。
中の感じはこんなです。割と配線がごちゃごちゃしてますな。
MaxonのOP AMPはNEC 4570C。NECのデータシートでは4558の後継で、超低ノイズ、広帯域化したモデル。スルーレートが大幅に上がってますが(4558は2V/μS前後、4570は7V/μS)、それは高音域が出るかどうかに影響するとかなんとかどっかに書いてありました。
右上に見えるJRC 2374ADは、Maxonのホームページで紹介されてるようにDC-DCコンバータです。9V電池での動作電圧を18Vに昇圧します。
基板全体を見てもわかりますが、Ibanezのみたいに抵抗やダイオードの素子が立ってないし、全体的にすっきりまとまってます。部品点数も少なく見えます。何よりケーブルの処理がきれいですわ。基板下の方に見えるスライドSWは、動作電圧9-18Vの切り替えです。18Vにすると元気になるらしいです。
フタ開ける前までは、ほぼおんなじもんが入ってんだろと思ってましたが、えらい違いでした。しかも基板実装、ケーブリングはMaxonのが上手。
肝心の音ですが、IbanezはTS808/TS9ゆずりの鼻づまり&モコモコ、MaxonはIbanezと音質は似てますが、いくぶん艶やかな音です。歪み感はMaxonの方が少し多いです。
酷評されてるIbanezのTURBO/HOTモードですが、激しく同意。音圧が上がる代わりに歪みが消えてくし、何がTURBOじゃと思ったら、こりゃエフェクタ自身の歪みのTURBO/HOTじゃなくてアンプをBOOSTする強さのことですな。だったら、ロータリーツマミで切り替える意味がわからん。SobbatでもFulltoneでも、BOOSTはフットスイッチ別につけて足踏みで切り替えるから意味があるんでしょう。TS9DXの設計者はギタリストじゃないですね。HOTモードのLEDクリップ、TURBOモードのコンプカットをうまく使えば、外のアンプどうすっかじゃなくて、このエフェクタ自体の音を変化させられて使用価値があるのに。回路図探してTURBO/HOTモード救済計画立てますわ。
(2007/9/14 +/HOT/TURBOモードの切り替えは、Landgraff DODやタッキードライブの回路と似ているのではと気づきました。まだ確信無いですが。ひょっとするとTS9DXって大化けするかも。いや、それがKeely Modか。どっちにしてもパーツのハイグレード化しないとTS9モード自体のモコモコ音は直らないし、ほとんど総とっかえになるか。実は実験用にもう1台TS9DXの中古を入手したので、後でゆっくりいじってみます。)
Maxonの音は、これはこのまま使えます。BOOSTのトグルスイッチも実はTS9DXみたいに見かけ倒しか心配でしたが、こっちは高域低域を絞って中域を押し出す感じ。これはこれで音作りに貢献しますわ。ただNECの石を見ちゃったというのが精神衛生上よろしくないです。
どっちもギターのボリュームでの歪みのコントロールはできますが、完全にクリーンにはなりません。クリーンになる前に音が小さくなってしまう。TS9DXの方がいくぶんクリーンにはなるけど。もっとも、このエフェクタかけてクリーンなアンプでギターのボリュームを絞った状態は、弱めにクランチしてるアンプの状態を想定している、と言われればああそうですかなんだが。ここはもっとLovepedalとか研究してもらいたいですね。これが出来ると万能選手になるんだが。
というわけで、定番2機、どっちか売っぱらうつもりもなく、どっちも持ってるでしょう。んー、ちょっと違うかな程度じゃなく、明らかに音色が異なるし、Modの可能性も秘めてるので。結局SobbatだBoot-Legだ言ってたくせに定番に帰って来てしまうわたしでした。
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